いまはプロでなくても、SNSで料理の腕前を披露できる時代。
Instagramなどで多数のファンを抱える人も珍しくありません。
せっかくなら料理教室を始めたい、と思う人も増えていますが、最大の問題は場所。
教室ができる仕様の自宅キッチンがある人はまれですし、自宅開催にはいろんな面で抵抗がある人も多いでしょう。
今回はそんなときに便利なレンタルキッチンについて、使い方や料金の相場を詳しくご紹介します。
そもそも、レンタルキッチンとは?
レンタルキッチンとは、その名のとおりレンタルできるキッチン。
大きく分けて、次の2種類があります。
多目的に使えるキッチン付きの部屋
絶対数として多いのは、こちらのタイプ。
広いダイニングキッチンやリビングルームを借りるイメージで、料理教室に限らずパーティーなど多目的に使うことができます。
・普通のマンションの1室を貸しているタイプ
・キッチン設備に特化したスタジオ
上記2種類あり、いずれもスペなびやスペースマーケットなどの仲介サービスで探せます。
個人ではなく企業が運営しているレンタルキッチンなら、定期的な予約もよりスムーズです。
学校の調理室のような場所
公共施設として、調理室が用意されている自治体もあります。
学校の調理室のような部屋で、終日借りても数千円と格安ですが、競争率は高め。
きっちり定期的に開催するのではなく、予約できた日に開催するという形になりがちです。
レンタルキッチンの相場
マンションの場合は1時間1500円~、キッチンスタジオの場合は1時間4000円~くらい。
マンションは安いですが、調理器具や食器の量が少なかったり、ゴミや掃除の面でのサービスがなかったりします。
少人数ならマンションでもいいですが、10人以上入れるような場所となるとキッチンスタジオのほうがいいでしょう。
レンタルキッチンのメリット
お金もかかるし、対面式のダイニングキッチンだから自宅でもなんとか……
と思うかもしれませんが、レンタルキッチンのメリットは場所を借りられることだけではありません。
大人数を収容できること
まずは、レンタルキッチンなら大人数に教えられるということです。
収入面のメリット
たとえば1回5000円として、自宅で2人に教えても1万円ですが、10人なら5万円になります。
レンタル料は経費として確定申告できますので、一定の規模になれば使わなければ損になる可能性もあります。
開催回数を減らせるメリット
生徒2人で5回開催するより、10人で1回のほうがスケジュール調整や体力面で楽です。
もちろん大人数になることでの苦労もありますし、それほど単純な話ではありません。
ですが、仕事として規模を拡大していくなら避けては通れない問題です。
プライバシーを守れること
友人知人に教えるなら自宅でも問題ありません。
しかし続けていれば、友人知人の紹介やSNSのフォロワーなど、初対面の人に教える機会が増えてきます。
そうなると、自宅を教えるリスクが大きくなります。
自分はよくても、家族がいい顔をしないということもあるでしょう。
そんなとき、レンタルキッチンはやはり便利で安心です。
時間通りに終われること
小規模な料理教室では、調理後の試食タイムも大きな楽しみ。
生徒さんとテーブルを囲み、おいしいと喜ぶ顔を見ながらおしゃべりするのは講師としての至福の時間です。
でも自宅なら、切り上げるタイミングが難しいのが問題。
2時で終わるはずが3時を過ぎた……というような事態が繰り返されると、双方にとって教室が負担になることにもつながります。
終わりの時間がしっかり決まっているレンタルキッチンなら、メリハリのある教室開催ができます。
一般的な調理器具で教えられること
料理教室を主宰するような料理好きは、気の利いた調理器具や食器を持っています。
でも、珍しい調理器具で作った料理を高価なお皿に盛っても、生徒は再現できません。
富裕層向けのおもてなし料理なら別ですが、レンタルキッチンにある一般的な調理器具と食器で教えるほうが有意義なケースも多いでしょう。
小さいようで大事なイロイロ
ほかにも、些細なようで意外と重要なポイントがあります。
すべてのレンタルキッチンがそうだというわけではないですが、以下の条件を満たしていればかなり利便性が上がります。
食材を事前搬入できること
教室用の食材のために、自宅の冷蔵庫を空けるのはかなり大変。
事前の搬入が許可されているレンタルキッチンなら、準備した食材を冷蔵庫に入れておけるので助かります。
ゴミを引き取ってもらえること
料理教室にゴミはつきもの。
ゴミは持ち帰りのところも多いですが、部屋を片付けさえすればゴミはそのままでOKという場所もあります。
コインパーキングに近い場所を選べること
車で行けないことがネックになる人は多いので、駐車場は意外と大きな要素です。
近隣にコインパーキングがあるレンタルキッチンを利用することで、駐車場問題がクリアできます。
子連れOKの教室も開催できること
キッズ料理教室や親子料理教室をやってみたいと考えている人にも、レンタルキッチンは便利です。
自宅に何組もの親子を呼ぶことはできませんが、広さのあるレンタルキッチンなら可能。
施設の利用条件にもよりますが、子どもOKの施設はたくさんあります。
レンタルキッチンのデメリット
デメリットも知らないと検討できませんね。
想像のつく範囲かと思いますが、デメリットについてもご説明します。
キャンセル料のリスクがあること
自宅開催より利益が出るなら使用料自体はデメリットではありません。
しかし、やむを得ない事情で開催できなくなった場合のキャンセル料はやはりリスクです。
また、生徒さんのドタキャンにもシビアになる必要が出てきます。
子どもの体調不良などは「気にしないで!」と言いたくなりますが、割り切らないと仕事として成立しなくなってしまいます。
移動(荷物運搬)の負担があること
レンタルキッチンを使う場合、人数分の食材を持って行かなくてはなりません。
生徒さんに配るためのレシピ、筆記用具やエプロンを忘れたと言われた場合の予備なども用意するなら、かなりの大荷物になってしまいます。
場合によっては、車がないと厳しいこともあるでしょう。
1回から試せるレンタルキッチンで、まずはチャレンジ!
レンタルキッチンのメリットとデメリット、どちらに共感されたでしょうか。
デメリットに大きく納得し、メリットを読んでも「そんな規模でやりたいわけじゃない」と思われたのなら、いまは自宅でも充分なのだと思います。
逆にメリットに強く共感されたなら、人数を集めてで本格的に開催するのが適しているのでしょう。
いまの環境や将来の展望を踏まえて、じっくり検討してください。
レンタルキッチンは1回のみの利用もできますので、まずはお試しで挑戦してみることもできますよ。